子宮筋腫

子宮筋腫とは?

子宮筋腫 は 平滑筋腫 または 線維腫 とも呼ばれる、女性に多い良性の腫瘍 です。特に 35~50歳の女性 に発症しやすく、更年期前の女性に多く見られますが、閉経後に縮小することもあります。子宮筋腫の種類 は、成長する位置 によって以下の3つに分類されます。

子宮筋腫の種類

子宮筋腫は、発生する場所によって「筋層内筋腫」「粘膜下筋腫」「漿膜下筋腫」の3つに分類されます。それぞれのタイプによって、症状や影響が異なります。
筋層内筋腫は、子宮の筋層内に発生する最も一般的なタイプの筋腫です。通常4cm以上に成長し、周囲の臓器を圧迫することで頻尿や便秘などの症状を引き起こすことがあります。また、成長速度が速い場合があり、不快感を感じて検査を受けた際に発見されるケースが多いのも特徴です。
粘膜下筋腫は、子宮内膜に発生する筋腫で、月経時の子宮収縮に影響を与えるため、重度の月経過多を引き起こしやすくなります。このため、慢性的な貧血につながることもあります。また、粘膜下筋腫があると妊娠しにくくなる原因となり、妊娠しても筋腫の影響で流産のリスクが高まることがあります。
漿膜下筋腫は、子宮の外側に向かって突き出して成長する筋腫です。このタイプの筋腫は、骨盤腔や腹腔内の臓器を圧迫し、頻尿や便秘の原因となることがあります。通常、症状が出にくいため発見が遅れやすいですが、筋腫が大きくなると不快感を伴うことがあります。

子宮内膜異位症の症状と影響

  • 重度の月経痛
  • 性交時の痛み
  • 骨盤の痛みや違和感
  • 月経血が多く、大きな血の塊が出る
  • 慢性的な貧血(めまい・倦怠感)
  • 膀胱や直腸の圧迫による頻尿・便秘
  • 妊娠時に筋腫が成長し、胎位異常・流産・難産のリスクが増加

子宮筋腫の診断方法

子宮筋腫は通常良性の腫瘍であり、悪性化する確率は約0.2~0.5%と低いですが、筋腫の成長状況を定期的に観察することが重要です。大きさや位置によって症状が異なるため、正確な診断には専門的な検査が必要になります。
診断に用いられる検査方法としては、婦人科内診をはじめ、超音波検査や子宮鏡検査が一般的です。より詳細な評価が必要な場合は、CTスキャンやMRI検査によって筋腫の大きさや位置を正確に確認することができます。
特に以下のようなケースでは、速やかに婦人科医に相談することが推奨されます。
更年期後に筋腫が大きくなる場合は、通常閉経後に縮小するはずの筋腫が成長するため、注意が必要です。また、短期間で急速に成長する場合は、悪性腫瘍の可能性を考慮し、早急な検査が求められます。
さらに、妊娠を計画している女性は、子宮筋腫が妊娠や出産に影響を与える可能性があるため、事前に適切な対策を講じることが大切です。

子宮筋腫の治療方法

① 薬物治療(ホルモン療法)

治療の目的は 月経時の出血を抑え、貧血を改善する ことです。

  • 低用量経口避妊薬:月経血の量を減らし、貧血予防
  • 貧血治療:鉄剤を服用して貧血の症状を改善
  • 黄体ホルモン含有の子宮内避妊器(IUD):局所的にホルモンを調整
  • RU486(ミフェプリストン)やダナゾール:ホルモン抑制作用
  • GnRHアナログ(性腺刺激ホルモン放出ホルモンアナログ)

※ ホルモン療法は一時的な症状緩和のための治療であり、根本的な治療にはなりません。

② 手術治療

子宮筋腫の手術には、「子宮筋腫核出術」と「子宮全摘出術」の2つの方法があります。患者の年齢、妊娠の希望、筋腫の大きさや数、合併症の有無によって、適切な手術方法が選択されます。
子宮筋腫核出術(筋腫のみを除去)は、将来の妊娠を希望する女性に適用される手術です。この手術では、子宮を残したまま筋腫だけを摘出するため、妊娠の可能性を維持しながら筋腫の影響を軽減できます。手術は腹腔鏡手術または開腹手術で行われ、筋腫の数や大きさに応じて適切な術式が選択されます。
一方、子宮全摘出術(子宮を摘出)は、妊娠を希望しない場合や、筋腫が非常に大きい場合に適用されます。また、子宮内膜症を合併している場合にも、症状の改善を目的として選択されることがあります。子宮を完全に摘出するため、手術後に筋腫が再発することはありませんが、妊娠が不可能になるため、慎重な判断が求められます。

BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m)²
例:身長160cm、体重80kg → BMI 31.3(中等度肥満)

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