着床不全・不育症について

着床の過程はとても複雑であるため、着床障害・着床不全の原因を明確にすることは困難です。着床しない原因を、胚側にあるのか、子宮側にあるのか、免疫側にあるのか専門的に判断することが重要です。
当院は、翁紹評が免疫に着目し、20年以上にわたり着床不全・不育症の治療に取り組んできました。そのため、開院当初より多くの患者様が着床不全や不育症の治療を目的に来院されています。院内には免疫性不妊検査室を設置し、検査から治療までを一貫して行える環境を整えております。患者様一人ひとりの状況に合わせ、子宮環境や免疫検査、過去の治療歴などを総合的に判断し、原因の究明を徹底。妊娠の成立から出産に至るまで、万全のサポートを提供いたします。

着床不全・不育症とは

着床不全は、形態良好胚を3回以上移植したにも関わらず、妊娠反応が見られないことを指します。
不育症とは、流産あるいは死産が2回以上ある状態です。
着床不全及び不育症は、子宮の形や炎症、ビタミンD不足、甲状腺疾患等様々な原因があり、その中の原因の一つとして、「免疫機構の異常」が挙げられます。

免疫性不妊(免疫機構の異常)とは

免疫機構は通常人間にとって重要な、免疫システムです。
自己と非自己を認識し、菌などを除外します。
しかし、免疫機構に異常が起こった場合は胚や胎芽、胎児を異物として捉えそれらを体外から排出しようとします。
その為、着床自体が免疫機構により阻害され、着床が出来なかったり、もしくは妊娠継続できないといった事が起こります。

当院での免疫性不妊治療

数十種類の採血を受けて頂き、潜在的にある着床不全の原因を評価し、治療を行っております。
実際の治療案に関しては、医師の診察の下決定致します。

着床不全の採血項目

  • 一般免疫検査
  • 習慣性流産
  • 重複性体外受精失敗
一般免疫検査 習慣性流産 重複性体外受精失敗
ANA抗核抗体検査 ANA抗核抗体検査 ANA抗核抗体検査
APTT APTT APTT
ATA甲状腺検査 ATA甲状腺検査 ATA甲状腺検査
Anti-TPO Anti-TPO Anti-TPO
IgG免疫グロブリンG SSA/SSBSSA/SSB抗体 IgG免疫グロブリンG
TSH Anti-beta 2 glycoprotein-IgG TSH
Prolactin Anti-beta 2 glycoprotein-IgM Free T4
D-dimmer Anti-cardiolipin IgM C3 補体3
IgM免疫グロブリンM Anti-cardiolipin IgG C4補体4
IgG免疫グロブリンG TNF-α
TSH UNK-Cell
Free T4 NK-Cell
C3 補体3 Th1
C4補体4 Th2
Protein-S Anti-Thrombin III
NK-Cell D-dimmer
D-dimmer Lupus anticoagulant

よくある質問

今まで着床不全と言われたことはないが、着床不全の問題が潜在する場合もあるのか

はい、ございます。
当院の免疫専門医によると女性は35歳以降、徐々に免疫が強くなってく場合がかなり多いです。その為、40歳以上の方ですと潜在的に何らかの値が逸脱している可能性がございます。自覚症状もない場合がほとんどなので、当院での採血により発覚することがほとんどです。