体外受精(IVF)とは
体外受精(In Vitro Fertilization, IVF)は、卵子と精子を体外で受精させる不妊治療の方法です。この治療法は「試験管ベイビー」とも呼ばれ、受精後に試験管や培養皿で培養されることが名前の由来となっています。
当院では、患者様一人ひとりの状況に応じてPGT-A検査(着床前染色体異数性検査)やタイムラプス培養などの最新技術を導入しています。また、採卵の際には個々に適した卵巣刺激方法を提案し、受精の際にはICSI(顕微授精)やIMSI(高倍率顕微授精)を活用し、高い受精率を維持しています。
当院の胚培養室(LAB)は、オーストラリア生殖学会RTACの認定を受けており、厳格に管理された環境のもと、受精卵を3日から5日間培養します。高度なPGT-A技術により、健康な胚を選択し、より妊娠しやすい環境で移植を行うことが可能です。
体外受精(IVF)の適応
体外受精(IVF)を検討する状況として、以下のようなケースが挙げられます。
- 両側の卵管が閉塞(手術による摘出や炎症による閉塞)している方。
- 重度の子宮内膜症をお持ちの方。
- 重度の男性不妊症(以下のいずれかに該当する方)
- 精子の数が500万未満
- 正常形態の精子が4%以下
- 精子の活動性が極端に低く20%以下
- 無精子症
- 慢性炎症による重度の骨盤腔癒着がある方。
- 重度の抗精子抗体を持つ方。
- 人工授精(IUI)が3回以上連続で失敗した方。
- 38歳以上、または卵巣の早期老化が見られる方。
- 習慣性流産(複数回の流産)を経験されている方。
体外受精(IVF)のプロセス
IVFの治療は、月経周期の2日目から3日目に血液検査と超音波検査を行い、ホルモン値と卵胞の数を確認することから始まります。その結果をもとに、投薬方法を決定します。
初回検査
日本での受診
フォローアップ
日本での受診
採卵
台湾での受診
胚移植
台湾での受診
- 月経2〜3日目:初回検査
- 血液検査と超音波検査で卵胞の状態を確認
- 投薬の種類と方法を決定
- 採卵までのフォローアップ(1〜2回の再診)
- 卵胞の発育状況を確認しながら、最適な採卵日を決定
- 採卵(通常、生理12〜14日目)
- 採取した卵子と精子を受精させる
- 受精卵を培養し、3日目(初期胚)または5日目(胚盤胞)で移植可能に
- 胚移植
- 胚を含んだカテーテルを膣から挿入
- 腹部超音波で着床しやすい位置を確認しながら、胚を子宮内へ移植
日本からお越しの患者様へ
日本から当院へお越しいただく際、体力的・金銭的な負担を軽減できるよう、可能な限り来院回数を減らす工夫をしています。
その一環として、一部の検査を日本国内で受けていただき、その結果を当院にご報告いただく方法を採用しております。

*上記治療内容には個人差がございます。またMC2回目か3回目の検査は状況により日本でも可能です。
必要な資料
- お二人のパスポート
- 身分証(免許証・マイナンバー)
- 戸籍謄本
費用について
体外受精パッケージ費用:初診採血から採卵関連費用(薬剤・手術費含む)、移植及び移植後の薬剤まで基本的な項目が含まれてます。
免疫関連の採血も含まれておりますので、潜在的に着床不全・不育症がある方も事前に検査を行って頂き、個人に合わせた治療を立案いたします。
39.9万元(PGT-A3個含む)
- 培養費関連費用:受精技術項目(ICSI,PICSI,IMSI,MICRON)、7日間の培養費、5日目のタイムプラス、胚盤胞凍結費及び胚の1年間保存費(試験管1本含む)
- 生検3個・PGT-A3個、試験管3本
- 採血:STD1回、初診・免疫採血1回、採卵基本項目採血(無制限)、移植前後基本採血(合計2回)
- 診察費:診察・受付費、超音波費(初診から移植12日目まで)
- 基本薬剤(ホルモン):採卵誘発剤、移植前薬剤・移植中薬剤・移植後薬剤(~4週)
- 採卵手術費(麻酔含む)
- 移植関連費用:移植費用、胚盤胞
- 移植前後の漢方スティーム・鍼灸(合計2回)
- 事務手続き費用
- 日本語サポート費用
こちらのパッケージで採卵から移植まで基本的な項目はほぼ含んでおります
※個人によっては上記以外に必要な治療・検査・薬剤、3個以上のPGT-A等は別料金となります。
※受精技術については、医師が患者様個人の状況の評価の元ご提案いたします。